『NINAGAWA・マクベス』ロンドンで再演

東京新聞」10/30(月)夕刊に、蜷川幸雄演出の『NINAGAWA・マクベス』がこの10月、シティー・オブ・ロンドンのバービカン劇場にて30年ぶりに再演されたとのこと。約1000人の観客で満席、終演するやその観客からスタンディングオベーションを贈られたそうである(ロンドン・沢田千秋記者)。何となく嬉しいことである。同紙上で、権威ある人らの批評が紹介されている。(東京新聞では、シェークスピアと表記。)
◎マイケル・ドブソン英バーミンガム大学教授(シェークスピア研究の第一人者):蜷川マクベスは英日両国の素晴らしい宝だ。ロンドンのシェークスピアの観客は概して、蜷川さん以外のために立ち上がらない。ロンドンは彼とその作品の第二の故郷になった。
◎マイケル・ビリントン氏(英演劇界を代表する劇評家):彼の作品はしばしば能や歌舞伎の伝統的様式を取り入れるが、日常との乖離や異国感がない。約三十年ぶりに、その偉大さを思い出した。/シェークスピアの斬新な解釈、東西の伝統を取り入れる折衷主義、そして何より、優れた演出家としての視点と創造力が、脚本への敬意や役者への愛情と混ざり合い、人々に永遠の記憶を残した。
児玉竜一早稲田大学教授(演劇学):数十年間、蜷川さんと働いたスタッフ、俳優らが独創的な蜷川流を守った。ロンドン公演のチケットは完売し、期待の高さがうかがえた。/今や日本はライジング・サンではなくなったが、ロンドンの観客はそうした日本の現状とは関係のない普遍的な地平で、この舞台を捉えていた。それだけに、蜷川さんは没したが、この演出は今後も生き続ける可能性を秘めていることを示した。


 蜷川幸雄演出の初演のこの舞台は、1980年2月7日、日生劇場にて観ている。懐かしく思い出した。
 http://d.hatena.ne.jp/simmel20/20170715/1500123840
  (「『NINAGAWA・マクベス』1980年初演観劇:2017年7/15 」)
 http://d.hatena.ne.jp/simmel20/20111106/1320588690
  (「つっぱり老人蜷川幸雄:2011年11/6 」)