タデウシュ・カントール復活


東京新聞』10/23夕刊の「大波小波」で、「カントルの影」と題して、ポーランドの演出家タデウシュ・カントール(ポ−ランド語読みでは、カントル)について書かれている。「ポーランドの演劇人タデウシュ・カントルは生誕百年を迎え、まさに日本の演劇界を震撼させようとしている」とし、
……カントルは生涯に六本の作品しか遺さなかった。そのすべてが死の匂いに包まれた自伝的作品である。彼はたびたび演劇宣言を発し、他人による自作演出をけっして許さなかった。この点がベケットブレヒトとは違う。演劇とは一度だけの事件であり、不用意に繰り返されてはならないと確信していたのだ。二度来日公演を果たしたが、今では舞台を直接に記憶する者は多くない。舞台の残響に導かれるまま、カントルの影に脅え、また魅惑される者が増えていったのだ。……
『死の教室』と『私は二度とここには戻らない』の二つの舞台の印象は強烈で、いまでも記憶に鮮明に残っている。その一期一会の出会いをたいせつにし、映像で紹介するイベントには行かないつもりである。 
 http://d.hatena.ne.jp/simmel20/20150703/1435894162(「タデウシュ・カントル生誕100周年:2015年7/3 」)