「古代シリア展」を思い起こす


 このパルミュラ遺跡出土品をはじめ、古代シリアの主要遺跡出土品を251点展示した「古代シリア展」(1977年:東京国立博物館)を思い起こした。ダマスカス、アレッポ、パルミュラの国立博物館所蔵品のなかから厳選されたものばかりで、壮観であった。たしかに偶像崇拝の対象である神像が多く観られた。 

……パルミュラの神殿にはセム族系の神々とヘレニズム・ローマのパルテノン神殿の神々が奉祀され、ローマ彫刻の手法でそれらの神々が造形表現された。すなわち「パルミュナ人の多神信仰はシリア、アラビア、ペルシア、バビロンから請来された神々からなり、そうした神々はラテン語名を併せ持っている。ベル神はその中心的存在である。ベル(またはバール)は正確にいって太陽神でなくて、マルドゥクに対応するバビロニア起源の宇宙神であった。ベル神は人間の運命をも司り、天の神々を支配し、大神殿が奉献せられた。ベル神は後にゼウスと同じ神と考えられた。パルミュラにある他の神殿は、バール・ジャミン(天の支配者)に献じられたものである。……(同展カタログ)
地母神像:アス・サラミヤ出土:前2000年紀)
(五神立像:パルミュラ出土:2世紀)
(守護神像:テル・ハラフ出土:前9世紀)
(女神ミネルバ像:アル・スウェイダ出土:2世紀)
男神バール像:ラス・シャムラ出土:前13世紀)
(泉の女神像:マリ出土:前2000年紀前半)
獅子頭の怪鳥:マリ出土:前2300年)
コーラン:ダマスカス出土:10世紀)
 http://dlift.jp/photo/photoDisplayWorldHeritage447(「パルミラの遺跡の絶景写真画像」)