花とワイン

 昨日4/5(土)は、東京銀座のフレンチ・レストラン「ラール・エ・ラ・マニエール( l'art et la manièr)」にて、コースランチをいただいた。気鋭の弁護士Y氏主催の「ごっつあん企画」である。場所は、プランタン銀座の裏にあるビルのB1F。アール・ヌーヴォー風のインテリアのなか、数個のテーブル席と入口右の個室席からなり、瀟洒な雰囲気を感じさせる。
 http://www.lart.co.jp/concept(「 l'art et la manièr」)
 個室の席も各テーブルもみな女性客ばかり、女子会に紛れ込んでしまった印象だ。シャンペンとアミューズ、前菜にはじまり、和歌山の黒鯛の料理、そしてメインディッシュの岩手のポークと、申し分なし。チーズ系はあまり好みではないのだが、ミモレットはたしかに佳味であった。ちょうどこの2日(水)に右下奥にブリッジを入れたばかりで安心して食べられた。バターは多彩、しかしうっかりしてこちらはパンのお替わりをしそこなってしまった。注文した赤のグラスワインは、1杯目がトレバノン、2杯目がクローゼ・エルミタージュでどちらも南仏のワインだ。
 http://www.winemen.net/wine/rhone.htm(「南仏ワインを知ろう〜」) 
 アヴァンデセール(はじめのデザート)も、グランデセール(メインのデザート)もどちらも楽しめた。

 ワインは花の香りがするらしい。花粉症で嗅覚麻痺のこちらには信じがたい。仏文学者の出口裕弘氏がかつて書いている。
……ワインは花の香りがするという。私はいくらすすめられてもワイン学の勉強をしないから、ぶどうの実から出来た酒がどうして花の香りを放つのかわからない。ただ、こういうことはある。去年、少々値の張るブルゴーニュを作法どおりデカントして、一時間ばかりじっとワイン殿のご機嫌をうかがった上で、顔が半分はいりそうな大きなグラスに注いで、さらに数回、ぐるぐるとグラスを回して、さて顔半分を淡紅色の酒へ近付けたとき、何の花かは知らず、ぱあっと香った。あれはたしかに花の香りだった。……(「読売新聞」1999年3/2夕刊)
 食事に満足し終えて、店を出た。B1Fのエレベーター前で見送ってくれたスタッフ氏が、なんと1Fの出口に居てまた見送ってくれた、驚いた。タクシーを捕まえ、浜離宮庭園に出向いた。入れば、花々が生の充溢を寿いでいた。


 ここにはたして「日本的な迎賓館」が建てられるのであろうか。注目(?)したい。
 
 花に酔い庭園を堪能してから出て、新橋に向かった。 第一ホテル東京のロビーラウンジでコーヒーを飲み、休憩をとってから帰宅の途に就いた。自宅まで総計12000歩の散策であった。
 http://www.hankyu-hotel.com/hotel/dhtokyo/restaurant/96/index.html(「第一ホテル東京・ロビーラウンジ」)
⦅写真(解像度20%)は、東京台東区下町民家のモクレン木蓮)。小川匡夫氏(全日写連)撮影。⦆