manage能力について

 映画監督や演出家はdirectorなのに、野球の監督は、どうしてmanagerなのだろうか? (ちなみにサッカーでは、coachだし…。)佐久間治氏の『英語に強くなる多義語二〇〇』(ちくま新書)に答えがある。
……動詞manageの原義は「手綱をさばいて馬を御する」で、あくまで「手」と深い関わりを持ちます。“手で巧みに制御する”から「物事をうまく取り扱う」や「うまくやり遂げる」が生じ、さらに「(事業などを)経営[管理]する」ヘ発展したものです。……
 氏の説明によれば、「ピンチにチャンスに臨機応変の処置をとる」ことが課せられるのでmanager(やりくりする人)がふさわしいわけなのだ。
manager〈noun〉01のデータ.pdf 直参考:英語辞典責任編集者O氏によるデータ)  
 原義に関しては、なるほど『OXFOED Advanced Learner's DICTIONARY』に、「manage a difficult horse」の用例が紹介されている。その原義の意味でのことだが、日本競馬界のドンであるS台グループ総帥Y氏から干されているらしい武豊騎手は、そんな境遇でも「京都記念3連複的中)」(2/12)でトレイルブレイザー号(5番人気)で優勝、「報知杯フィリーズレビュー(不的中)」(3/11)ではビウィッチアス号(8番人気)を2着にもってきた。みごとなmanage能力である。武豊騎手は明日3/15が誕生日とのこと、まだまだの活躍を期待したい。さらに競馬で思い起こせば、2005年暮の「有馬記念」と、06年3/25のアラブ首長国連邦ドバイでのワールドカップ競走「シーマクラシック」で、それまで日本人ジョッキーによって追い込み馬として乗られ、GⅠレースを惜敗しつづけていたハーツクライ号を、先行あるいは逃げ馬として騎乗し、勝利に導いたフランス人ジョッキー、C.ルメール騎手などは、まさに鮮やかに「manage」のできた人物といえよう。
 http://news.infoseek.co.jp/article/asageiplus_3809(「楽天ニュース」)
 それに比べて日本の政界には、(お気楽な立場でいえば)「ピンチにチャンスに臨機応変の処置をとる」能力=manage能力のある人が枯渇しているのではないだろうか。「日本化」などとは不名誉な呼称であろう。
⦅写真(解像度20%)は、東京台東区下町で開花中の沈丁花2。小川匡夫氏(全日写連)撮影。⦆