市川と現代美術





 6/24(金)は、千葉県市川市真間にある「市川市芳澤ガーデンギャラリー」を訪問、開催中の「市川市新収蔵作品展」を鑑賞してきた。京成市川真間駅より徒歩15分ほどで、穏やかな真間川をわたった、閑静な、そこここで、ダツラほか初夏の花咲き乱れる住宅街の奥にあり、約1000坪という敷地に建てられた瀟酒な美術館である。百樹園という名の庭園には、多様かつ多彩なアジサイが花咲いて歓迎してくれた。門入ってすぐ右には、枇杷の実がたわわに実っていた。建物左脇には、ニセアカシアの木が葉を鬱蒼と茂らせていた。館内も静かで作品とのなつかしい出会いを保証してくれる。
(高橋画伯の作品:画伯撮影)
 新たに市川市に収蔵された6人の作家の作品展であったが、目的はわが畏友の画家、市川市在住高橋甲子男画伯の作品を鑑賞することであった。4点展示されていて、1968年、1979年、1989年、2009年の作品。いずれも過去に観ている。美術評論家ヨシダ・ヨシエ氏が、かつて27人の現代美術作家を論じた『手探る・宇宙・美術家たち』(樹芸書房)で、高橋画伯についてとり上げている。

『かつて、日常の事物を、ほとんどポップ・アート的な感性でパターン化したり、素材的な実験をしたりの遍歴を重ねてきた高橋甲子男が、いまその奥に覗きはじめた想像的世界は、世界の構造を映しとろうとする感性のように、わたしにはおもえるが、しかしそれは表面の世界にもよく似ているはずである。毛皮から磁界力学を探そうと、流体力学からエロティシズムを嗅ぎとろうと、それは観客、あなたのかってだ。』(同書p.79)
 まさに、かってに作品を楽しんで帰ってきた。なお、他の作家の作品もそれぞれ当日の酷暑を忘れさせてくれたが、尾崎愛明氏の「amorphous-銀河」という、立体かと見まがう作品にとくに感動した。