日本映画専門チャンネルで放映した、佐藤肇監督『散歩する霊柩車』が意外と面白かったので、同じく放映の、幻のカルト作品との曲谷守平監督『九十九本目の生娘』も観るつもりでいたのだが、時間があわず見逃してしまった。今回DVD化されているのを知り注文、さっそく鑑賞した次第。案外面白かったが、エロ度が低過ぎ。名刀の最終的(折り返し)鍛錬作業で生娘の生き血が必要ということで、山奥深くに生き延びている刀鍛冶集落の長(おさ)が、拉致したハイキング中の娘二人(三原葉子ほか)を生贄に刀を突き刺す場面、女二人は下着姿のまま、これでは生き血は布に染み込んで〈ムダ〉になるではないか。とうぜん裸にするはずの場面、1959年公開作品であるから無理であったのだろう。悪霊に取り憑かれた二人の美少女に対するキリスト教徒による血の清めの儀式がエロ度満点のB級メキシコ映画、フアン・ロペス・モクテズマ監督(寺山修司とシンクロしていた、かのアレハンドロ・ホドロフスキー監督の盟友)の『ALUCARDA』を思い起こしてしまった。しかし物語の展開そのものは、近代対前近代という図式で一貫しており、最後まで観ることができたのであった。
曲谷守平『九十九本目の生娘』('59新東宝)。岩手のとある部落で行われる一族の永遠の繁栄の為に99人の処女の生き血で刀を鍛えるという奇祭、ところが99人目がヤリマンだったからさァ大変!というお話。永遠の繁栄をと謳いながら警官と大銃撃戦&全滅というマジキチさはまるで大日本帝国だ。
— ochichan (@ochichan) 2020年1月14日
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