エカテリーナ大帝と(天然痘の)予防接種

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   hulu配信のロシアの歴史大河ドラマ『エカテリーナ』にハマってしまい、数日で1、2シーズン全話観終えた。18世紀ロシアの女帝エカテリーナ役を演じるのは、ハンガリー出身のマリーナ・アレクサンドロワ、気品が漂いかつ妖艶さも持ちあわせているので、物語の展開とともにその魅力にどんどん魅かれてしまうのである。

f:id:simmel20:20210824161641j:plainマリーナ・アレクサンドロワのinstagramから
   第2シーズン第5話で、オスマン帝国スルタンからのエカテリーナ女帝への献上品の中に天然痘の細菌を混ぜた白粉箱があり、それを行き違いで開けて白粉に触れてしまった侍女が病死する事件が起こる。この事件を契機に、エカテリーナはお抱え医師の勧めに従って、みずから率先して予防接種を受けるエピソードが描かれていて、驚いた。

www.harpersbazaar.com 上記 Chloe Foussianesさんの解説(訳Mitsuko Kanno)によれば、「この予防接種は、イギリス人医師で、当時のファイザーだったトーマス・ディムズデールが可能にしたものだった。彼のメソッドは患者の腕を2〜3回薄く切り、天然痘患者から取った膿疱を傷口にすり下ろすという荒削りなもの」。それでもこの予防接種は成功し、ロシアでは1780年までには2万人が受けたとのこと。エカテリーナはこの予防接種のことを親友のヴォルテールに伝え、予防接種に反対する者は、「まったくのとんでもないバカ者か無知、単なる不道徳者」であると宣言したそうである。
 もっともこの後、天然痘に変わって、ペストそしてコレラの感染がロシアを襲うのであるが。

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