【妖しさ】「月岡芳年 血と妖艶」展 太田記念美術館(東京)で8月1日から。幕末から明治に活躍し、迫力ある構図や鋭い筆遣いで人気。「血」「妖艶」「闇」という妖しい(!)キーワードで月岡の魅力を掘り下げます。150点。前後期で全点展示替えです。 https://t.co/QNIqjrwA2a @art_ex_japan
— 美術展ナビ (@art_ex_japan) 2020年7月28日
「月岡芳年 血と妖艶」展、新型コロナウイルス感染症が勢い収まれば、出かけてみたいところではある。横尾忠則編集・装幀『芳年ー狂壊の神々』(里文出版)巻頭で、由良君美が「世紀末と芳年的なもの」と題して書いている。
大ざっぱな言い方であるが、蕭白、若冲、芦雪に一斉に吹き出た日本マニエリスム的傾向が、後期歌麿、写楽、北斎、国芳、幕末妖怪絵画等のシンボリズム的傾向に煮詰り、時代の欧化・物質主義・功利主義的動向と衝突し拮抗するところに生じた、反語とヴィジョンと悪魔祓いの、神経の研ぎ澄まされた——芸術の代表が月岡芳年の仕事であり、芝居絵の土佐絵金と、その嗜虐味において雁行する物をもった幻視の告知者であった。(p.14)