昨日は、「ツィゴイネルワイゼン」の作曲家・バイオリニスト、パブロ・デ・サラサーテ(Pablo de Sarasate)の祥月命日(1908年9/20没)であった。この曲は、ATG公開(1981年1月、日劇文化劇場)の鈴木清順監督の映画『ツィゴイネルワイゼン』で知った。映画そのものへの評価は高かったと記憶するが、個人的にはレコードから聞こえてくる曲の音にのみ感動はしても、退屈な印象であった。長谷部日出雄氏のプログラム解説によれば、「筋を追ったり、画面に性急に意味を求めたり、先入観や予断を持っていたりすると、『ツィゴイネルワイゼン』は難解に映るのではないかと思う」とし、「先入主を持っていない子供」のような「純粋観客」でないと、この映画の面白さがわからないと述べている。しかし、「この映画は、鬱の状態にある語り手の男の妄想と見ることもできる」とも書いていて、なるほど〈難解〉な作品であるわけだ。
映画で流れるレコードの「ツィゴイネルワイゼン」は、サラサーテ自身の演奏である。