鎮守の森

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 文藝誌『雲』(現在は閉刊)の2001年9月号の後書き「雲をつかむ」に、かつて書いた記事。夏になって、鎮守の森における〈宗教的伝統〉など弁ずる議論も出そうなので、記載しておこう。

▼信頼している仏教思想史の末木文美士氏によれば、鎮守の森なるものは、歴史的には近世頃にしかさかのぼれないものなのだそうである。縄文以来の伝統がそこにあるなどという議論は、前首相の森氏の「神の国」発言と五十歩百歩というわけだ。宗教に関する無知はいつからの伝統か?