ジャン=ルイ・バローと観世寿夫




 銕仙会
 昔観世銕之丞家を中心とした演能団体、銕仙会(てっせんかい)の公演もたまに観ていたが、機関誌「銕仙」255号(1977年6月)に、亡くなった中村雄二郎氏のエッセイ「至福の出会い=出来事」が掲載されている。この年、フランスのマドレーヌ・ルノージャン=ルイ・バロー劇団(COMPAGNIE RENAUD-BARRAUT)が、ポール・クローデル( Paul Claudel )の大作『繻子の靴』四部作中の4日目の舞台を『バレアル諸島の風の下で』の題名で来日全国公演している。東京青山の銕仙会の能舞台で催された実験的共演「演劇作業の根拠」に中村雄二郎氏は立ち会って、ジャン=ルイ・バローと観世寿夫の二人の「それぞれに的確な身体所作によって現前された演劇空間が、演劇そのものの本質を源泉とはっきり結びつきながらかくも対照の妙を示すようになろうとは想い到らなかった」と書いている。想像するのみで解り難いが、面白い。
  http://d.hatena.ne.jp/simmel20/20161215/1481790678(「演劇史的事件?:2016年12/15 」)