エルマンノ・オルミ監督『木靴の樹』


 イタリアのエルマンノ・オルミ監督作品では、昔(1979年)『木靴の樹』を観ている。19世紀末の北イタリアロンバルディア地方のベルガモの、貧しい農村を舞台にした物語。木靴を割ってしまった息子のために、伐採禁止の河畔のポプラの樹を伐って靴を作ってあげた、バティスティの一家が地主から村を追われるまでの生活を、悲しみと憤りの強い想いを残しつつ詩情溢れる映像で捉えていたと記憶している。タヴィアーニ兄弟監督の『カオス・シチリア物語』とともに、イタリアの土の匂いを漂わせた印象深い作品である。岩波ホールで再上映されたとのこと。関節痛を押して観に行くほどの気概はなかったが、この機会にスクリーンの映像を思い出せて、嬉しいことではある。
 http://eiga.com/news/20151205/2/(「「木靴の樹」が26年ぶりに再公開」)
 
 http://eiga.com/news/20160424/2/(「エルマンノ・オルミ監督、日本に向けたビデオメッセージ」)