心に悲し夜の雨の音


 昨日と本日の、NHK朝ドラ『花子とアン』は、幼い息子を疫痢(幼児赤痢)で失った花子(吉高由里子)の慟哭と、離れてそっと見守る腹心の友蓮子さま(仲間由紀恵)の友情と心遣いを静かに描いて、なかなか朝から感動的でかつすてきであった。子が息を引き取った夜雨が降る。この情景を詠んだ蓮子さまの短歌は、バルバラの「ナントの街に雨が降る」を思い起こさせる。若林圭子さんの歌では、ナントで亡くなるのは、失踪していて娘がやっと探し当てた父ではなく、恋人である。この絶望と哀しみの雨は、ヘミングウェイの『武器よさらば』の終末でフレデリック・ヘンリーに注ぐ雨と重なるだろう。
 http://d.hatena.ne.jp/simmel20/20101130/1291097043(『物語における「雨」』)

 http://sankei.jp.msn.com/west/west_life/news/140821/wlf14082107000001-n1.htm
       (『「花子とアン」吉高が凄すぎる』)