「孤独力」

 購読料が安いという理由のみで取っている『東京(反原発)新聞』4/26号紙上に、興味をひく記事があった。諸富祥彦(よしひこ)明治大学教授の「人間苦悩論」と題された小論である。氏は、「カウンセラーの仕事を始めて三十年近くになる」そうだが、
……私たち日本人が抱えている「さみしさ」の度合いは、そしてその切実さは確実に増してきているのではないか。そしてこの「さみしさ」とどう向き合って生きていくかにこそ、私たちがこれから生きていく鍵が存在している。……
 処方箋として、「孤独力」を鍛えることと、一人か二人でいい「濃密な時間を共に過ごすことができる仲間」を見つけることの二つを提案している。経済的な問題を捨象しているところは見逃せないが、結びのことばには共感を覚える。
……孤独であることを受け入れよ。孤独をごまかし友人づくりに励んでも、人生は空虚なままである。大半を孤独に過ごしても、内面は充実し世界と共にある。そうした方向を目指せ。友人は深くふれあえる友が一人か二人いればよい。私はあえてそう提案したい。……
⦅写真(解像度20%)は、東京台東区下町民家のヒラドツツジ(平戸躑躅)。小川匡夫氏(全日写連)撮影。⦆