立川志の輔独演会を聴く


 昨日4/26(金)は、銀座ブロッサム中央区立中央会館)にて、「立川志の輔独演会」を聴いた。S氏主宰落語研究会の定例落語鑑賞会への参加。S氏は都合により欠席で、参加者は10名。番組は下記の通り。

「はんどたおる」は創作落語。男と女、夫と妻との消費・金銭をめぐる発想の相違を面白おかしくとりあげている。なるほどと思わせるのは藝の力であろう。ただ、フィルムカメラの残りのフィルムを使い切ろうとする妻と、現像に出せと主張する夫のやりとりは、デジタルカメラの時代、ピンとこない噺だ。師匠、あまりに忙しいのかネタの点検を怠ってはいないだろうか。
 (「はんどたおる」)
「猿後家」は、顔が猿に少々似ていることに悩み「猿」とか「えてして」の語を禁句とさせる大店の後家さんに、金を無心する源さんの噺。うまく取り入って奥様から金を用立ててもらうことに成功し、「源さんは頭がよいんだね」と奥様に機嫌よく誉められて、源さんつい「ほんの猿知恵です」と応じてしまうオチ。澱みがなく文句なく面白かった。「後家」ということばも死語と化していくだろうから、これからはマクラは、説明の機会となるのだろうか。
 http://ginjo.fc2web.com/109sarugoke/Sarugoke.htm(『落語「猿後家」の舞台を歩く』)
「帯久」は、日本橋本町に住む、呉服屋和泉屋与兵衛と帯屋久七の栄枯盛衰の噺。与兵衛から借りた百両をかすめ取った帯屋久七は、その金を元手に傾いていた店が大繁盛する一方で、お人好しの和泉屋与兵衛は娘と妻を亡くし、店は火事に会い没落してしまう。病も癒えて10年後に久七と再会し、尽くしてくれた番頭の独立のための資金を貸してくれるよう頼むが、恩を忘れた久七にむべもなく断られ店からたたき出されてしまう。店の裏庭の松で死のうと決め最後の煙草を吸うと、その火が鉋屑に燃え移り、与兵衛は火付けの咎で裁きの場に引き出されることになる。火付けは死罪、さてこれを裁く大岡越前守の下した内容はいかに。笑いをちりばめた噺ではなく、しんみり聴かせる人情噺。堪能した。上方の噺であるそうだが、志の輔のオチは、「みごとなお裁きを」と感謝する与兵衛に「相手が帯屋だから少々きつめに締め上げておいた」と、なるほどピッタリ決めている。
 http://ginjo.fc2web.com/117obikyuu/obikyuu.htm(『落語「帯久」の舞台を歩く』)
 http://www.nicovideo.jp/watch/sm3813380(「帯久」) 
 終演後例によって中華料理店で検討会・呑み会。体調不良の者少なからずか、3名不参加の7名の参加。終始元伊勢丹幹部のA氏の辛口の弁舌で盛り上がり、11時過ぎの新橋駅発総武線快速に飛び乗って帰宅。

 こんな記事を発見。
リンク: 桂文枝氏 TVの芸人暴露話合戦やテロップ多発に質低下と苦言 - 速報:@niftyニュース.
 ⦅写真(解像度20%)は、東京台東区下町民家のオダマキ苧環)。小川匡夫氏(全日写連)撮影。⦆