2012-01-24から1日間の記事一覧

雪と室生犀星

(第6刷:直筆署名入) 伊藤信吉の『詩のふるさと』(新潮社)によれば、みずからの思いが「黄昏色に染まりはじめた」老年期にこそ、20歳台の室生犀星の抒情詩がその思いを揺するのだと著者は述べている。幼年のころおそろしい吹雪の夜を過ごしているはずの…

正義論と「暫定協定」

このところの中東地域をめぐる緊迫した世界の政治情勢を想うとき、『日本経済新聞』(2004年9/30号・「経済教室」)に、ジョン・グレイ=ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス教授が、「石油巡り世界分裂の恐れ」と題して寄稿した論考をあらためて読み返…