女優メリル・ストリープでは、カレル・ライス監督の『フランス軍中尉の女』が記憶に残る

フランス軍中尉の女』『

フランス軍中尉の女』は、劇中劇の構成になっていて、現代の映画製作・撮影で、既婚の女優アンナと同じく既婚の男優マイクとが不倫の関係にありながら、19世紀の英国を舞台にした、「フランス軍中尉の女」と地元の漁村で蔑んで呼ばれていたサラと若き考古学者チャールズの恋の始まりと不可思議で切ない結末を演じる展開。突然謎を残して消えてしまったサラをチャールズが探す、というのがこの物語の主要部分。アルフレッド・ヒッチコック監督の『めまい』とか、ジャック・リヴェット監督の『ランジェ公爵夫人』(バルザックの原作小説の方が面白いが)とか、消えてしまった女性を探し求める物語というのはけっこう好きなのである。メリル・ストリープでは、この作品のイメージが強烈すぎてほかの出演映画での記憶はあまり残っていない。