unrato#6『冬の時代』2020年3月上演! | シアターテイメントNEWS
この度、演劇ユニット「unrato(アン・ラト)」とぴあ株式会社は2020年3月、東
京芸術劇場シアターウエストにて、木下順二氏の戯曲『冬の時代』を上演します。大逆事件(1910年)以降約5年間は社会主義運動の「冬の時代」と呼ばれました。この時期、堺利彦は「売文社」をおこし、荒畑寒村と大杉栄は、雑誌「近代思想」を発行し、言葉によって世の中を動かそうと尽力し、社会運動だけではなく文化運動にも力を注ぎました。
『冬の時代』には堺利彦や大杉栄、荒畑寒村、伊藤野枝など実在の人物が名前を変えて登場します。
大正デモクラシーの波の中、彼らは考え、葛藤し、そして行動しました。若い彼らは、社会とも自身とも闘い、生きる実感を手にしていきます。奔放な恋愛感、人生感をも行動で示し議論し、芸術や哲学への思いを積み重ねていきます。
木下順二作『冬の時代』の舞台は、1964年9月(東京オリンピック開催の年)東横ホールにて、劇団民藝公演、宇野重吉演出で観ている。2度目の東京オリンピックの今年、ひさしぶりにこの演劇に出会えるとは思わなかった。社会変革への情熱と思想を倫理の問題として、今日この芝居を捉え返すことができるだろう。宮本研作『美しきものの伝説』と併せて考えてみたい。