通し狂言『孤高勇士嬢景清(ここうのゆうしむすめかげきよ)』観劇

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 昨日11/14(木)は、国立劇場にて、通し狂言『孤高勇士嬢景清(ここうのゆうしむすめかげきよ)』を観劇した。国立劇場で通し狂言を観るのは、じつにひさしぶりのこと。昔少年時代に、芝居嫌いの父に代わって母(今年3/14、104歳で大往生)のお供で、歌舞伎座とこの国立劇場でよく歌舞伎を観たのであった。歌舞伎の後は、外国劇団の来日公演などで何回かこの劇場に来ている。その時は、地下鉄赤坂見附駅で下車して徒歩で裏に出、右通路を通って劇場正面にたどり着いたものである。錦糸町駅から半蔵門線を利用したので、半蔵門駅で降りればより早く劇場正面に行けるところを、昔を思い起こしたく敢えて永田町駅まで乗り越して、そこで降りて、赤坂見附からの青山通りを歩いた。記憶していたより案外歩かされたので驚いた。裏から正面に出る細い通り道は変わっていなかった。帰路は間違えて国立国会図書館の通りを歩いてしまい、半蔵門線ホームには遠い出入口から入って歩きづめとなった。帰宅して万歩計を見ると7900歩。今年一番の数字、疲れて11時には寝てしまった。

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 さて昨日の舞台、歌舞伎のほとんどの出し物(魅力)が揃っていて、面白かった。中村吉右衛門の景清は声も出ていてさすがの風格、武将の勇猛さと娘の父親としての面目と哀しみがみごとに表現されていた。驚いたのは、序幕・二幕目に登場の源頼朝と三幕目の手越宿の女郎屋花菱屋長が、同じ中村歌六の二役だったとこと。不覚にも後でプログラムで知った次第。全体的には、台本も購入していたので進行および台詞がすべてわかり、愉しめた。四幕目、「日向嶋浜辺の場」は、ソポクレスの『コロノスのオイディプス』を、「日向灘海上の場」は、アルゴ船に乗って旅発つメディア&イアソンを思わせた。

 二幕目「南都東大寺大仏供養の場」で、景清と薙刀を持つ僧兵たちが争う場面、僧兵たちが景清に向かってラグビースクラムを組むところは愉快であった。笑いたかったが、観客の年齢が関係してかだれも注目していなかった感じ。歌舞伎公演には昔からこういうお茶目があるが、惜しい、この演出は買いたい。

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