葉山修平近刊『からかさ草紙』(龍書房)



 葉山修平氏より近刊『からかさ草紙』(龍書房)の恵贈にあずかった。「傘(からかさ)の骨はばらばら紙や…」の江戸小唄の一節が巻頭に置かれている。傘寿を過ぎても、この作者(の分身と思しき主人公)の〈傘〉はまだまだ骨組みはしっかり(し過ぎ)していて、おそらく読者は共感よりも嘆息をもって読み進めることになるのではあるまいか。