火葬と土葬

 9/19(土)WOWOW放送の『CSI:15 科学捜査班ザ・ファイナル』の「♯12記憶の森(Dead Woods)」は、10年前にキャンプ場で家族を殺害して後自殺したとされた父親の死について、ひとり生き残った娘の微かな記憶の甦りを手がかりに再捜査することになる物語であった。10年前に埋葬された父親の遺骸から、事件の真実が解明される展開。
 http://blog2.wowow.co.jp/kaigai/20150920_12dead_woodscsi15.html#more
  (『CSI:15「♯12記憶の森」』)
 火葬の日本では、あり得ない捜査である。古代においては、葬法に4種あり、水葬、土葬、火葬、風葬(林葬)で、土葬が中心であった。僧道昭の火葬(700年3月)以降、火葬が中央の貴族・豪族と地方の郡司階層の豪族までの間に拡がった。10世紀以降火葬は下火になったが、平安時代末期に再び火葬が貴族階層に受容され、鎌倉時代には、武家社会に火葬が広がり、次第に下の階層へと普及、そして、室町時代末にかけ、自営農民クラスまで火葬が広がったとのことである。(「拡がる」と「広がる」は下記参考文献の原文通り。)
【参考文献】 
 http://miuse.mie-u.ac.jp/bitstream/10076/12266/1/10C16118.pdf
  (「三重大学:吉田 奈稚子<論文>中世の葬送と供養観の展開」)

 http://www.world-graves.net/christianity-graves/american-burial/(「アメリカの埋葬」)
 http://www.religioustolerance.org/crematio.htm
(「The cremation process. Its history.Cremation and burial in the Bible.」)
※burial: the act or ceremony of burying something, especially a dead body.
cremation: a funeral at which a body is cremated.⦅cremate: (often passive)to burn a dead body to ashes.⦆


 朝のテレビ朝日モーニングバード」で、「ぼた餅とお萩」など、お彼岸に関連するよくある疑問を特集していた。その一つとして、墓地に彼岸花曼珠沙華)が植えられた経緯を解説していた。彼岸花ヒガンバナ)の球根には毒があり、かつては土葬された墓地の遺体をモグラやネズミから守るために植えられたと解説。これは知っていたが、堤防を守るためにも植えられていたのは知らなかった。なるほど。

⦅写真は、東京台東区下町民家のヒガンバナ曼珠沙華)。小川匡夫氏(全日写連)撮影。コンパクトデジカメ使用。⦆