浅草ロック座と大勝館





 報道を見ると、すでに破産したS観光から運営権は移っており形態はともかく営業は継続されるとのことである。記録によれば、秋吉里香、仙葉由季、村上麗奈など、それぞれ竹内彩アラーキー(CDパッケージ)、沢渡朔錚々たる写真家の被写体となったひとたちもダンサーとしてここの舞台に出ている。個人的には、仙葉由季はここで、村上麗奈は船橋W劇場で観ている。エキサイティングですてきなステージであったと記憶している。
 http://ja.wikipedia.org/wiki/ストリッパー一覧(「ストリッパー一覧」)

 ある年どういう経緯か、女優の荻野目慶子が演出した公演もあった。この舞台は多彩で面白かった。
 とういうわけで消失は寂しいものがある。存続を願いたい。
 前経営者のS観光は、大衆演藝の浅草大勝館の経営も担っていたそうであるが、その前身である大勝館に思い出がある。昔少年時代は、浅草を舞台にした谷崎潤一郎の『鮫人』の服部青年が住む長屋近くの町に暮らしていたので、松竹座とともに洋画のロードショー封切館としての大勝館で、父のお伴でよく映画を観たものである。とくに印象が強いのは、テレンス・フィッシャー監督『吸血鬼ドラキュラ』である。ピーター・カッシングヴァン・ヘルシング教授と、クリストファー・リーの吸血鬼ドラキュラの対決には、興奮と恐怖を与えられ、その後長く夜の闇がひどく怖かったのを覚えている。
 http://d.hatena.ne.jp/simmel20/20130308/1362732050(「1930年代の半グレ=浅草紅團:2013年3/8」)
 http://d.hatena.ne.jp/simmel20/20120422/1335081191(『「荷風忌」に寄せて:2012年4/22』)