夕影にこそ咲きまさりけれ 

 朝顔は朝露負ひて咲くといへど

              夕影にこそ咲きまさりけれ
 (岩波古典文学大系『萬葉集三』巻第十「秋の雑歌:花を詠む」p.107)
〔大意〕朝顔は朝露をうけて咲くというけれど、夕方の光の中でこそ、いよいよ盛んに咲いているのだなあ。◎別解:朝顔は朝露をうけて咲くというけれど、私は夕方の光の中であなたをお待ちして咲きまさっておりますものを。
 さて『万葉集』での「朝顔」は、桔梗というのが通説であるらしい。たしかに木槿ムクゲ)であれば、夕方には萎んでしまう。「盛んに咲く」などとは表現できない。
 http://manyuraku.exblog.jp/11699708/(「万葉集遊楽」)
 http://www.asahi-net.or.jp/~sg2h-ymst/yamatouta/saijiki/kikyou.html(「和歌歳時記:桔梗と万葉集ほか」)
 http://www6.airnet.ne.jp/manyo/main/flower/asagao.html(「楽しい万葉集朝顔」)

⦅写真(解像度20%)は、東京台東区下町民家の桔梗の花。小川匡夫氏(全日写連)撮影。⦆