来月は、東京銀座の「博品館劇場」で、シャンソン歌手若林圭子さんの恒例のリサイタルがある。秋の銀座歩きとともに愉しみである。銀座の街も、時代に取り残されまいと、関わる人たちは必死のようである。
仏文学者の奥本大三郎氏は、『散歩の昆虫記』(幻戯書房)中の「たそがれの銀座のトンボ」というエッセイで、銀座のことを書いている。アカトンボの仲間ノシメトンボが、晩秋の銀座の街角に十数匹も止まっていて、知己の写真家が街の景観ごとそれを写したことに触れ、述べている。
http://contents.kids.yahoo.co.jp/zukan/insects/card/0529.html(「ノシメトンボ」:Yahoo図鑑)
……それにしても、銀座のトンボはどんな生活をしているのだろう。近くの水辺といえば、皇居のお堀か、日比谷公園の池か、あるいは近所のビルの屋上に小さな水たまりでもあるのか。
かつては川が流れ、数寄屋橋などという橋もあったのだけれど、その川も「数寄屋橋ここにありき」という石碑を残して暗渠になってしまった。
銀座にも、京都の街中のように川が流れていればどんなにか風情があるだろうに、と惜しんでも、もう遅い。
澄んだ水が流れ、そのきれいな水にトンボが飛び、夜はホタルが光る。そして秋には虫が鳴くというような盛り場であったら、高い酒も旨いと思うのだが。(同書pp.25〜26)
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※「ALCHEMILLA」は、アクセサリー・デザイナー奥本祥子さんのブランド。奥本祥子さんは、都立小石川高等学校→早稲田大学一文卒の才媛。
- 作者: 奥本大三郎
- 出版社/メーカー: 幻戯書房
- 発売日: 2010/02
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