福田恆存読書歴

 たまたま覗いた読書家内科医師のブログ「日々平安録」に、退屈論をめぐっての面白い記述があった。それはそれとして、「無為にすごすすべを心得ていた」とハクスリー(Aldous Leonard Huxley)がその回想で評したというロレンス(D. H. Lawrence)の『無意識の幻想』(訳・解説:小川和夫)を読むことになったのは、「若い時に福田恆存にいかれたことがあるからで、その福田氏の御輿がロレンスであったからである」としている。なるほど。
 http://d.hatena.ne.jp/jmiyaza/20120311/1331476173(「日々平安録」)


 わが書庫にも福田恆存の著書は並んでいるし、署名入り戯曲作品も所蔵している。決して「いかれた」という実感はないが、同時代の読むに価する書き手の一人として、畏敬の念をもって読んできたつもりである。そのあたりの事情は、昨年ブログに記している。
 http://d.hatena.ne.jp/simmel20/20120209/1328788615(「福田恆存生誕100周年」)
池田信夫blog」の次の議論を見ると、福田恆存が論じた近代日本の問題性は、まだまだ過去のことではないことがわかる。
 http://ikedanobuo.livedoor.biz/archives/51876998.html#more(「機械仕掛けの天皇」)