昨日11/5(木)は午後7時から大手町・日経ホールでのJ亭スピンオフ企画『桃月庵白酒・柳家三三二人会』生配信を視聴した。三三(さんざ)の生の高座は3度目、白酒は2度目で、どちらも安心して聴いていられる。当日の番組は以下。
前座)柳家小太郎(さん喬門下) 唖(おし)の釣り
1)桃月庵白酒 喧嘩長屋
2)柳家三三 権助提灯
仲入り
3)桃月庵白酒 佐々木政談
4)柳家三三 坊主の遊び
前座の柳家小太郎は現在二ツ目だそうだが、前座のレベルを超えている。来年真打昇進が決まっているとのこと、肯ける。テンポがよい。ポリコレの監視の目が厳しい当節、さすがに七兵衛、殺生禁断の上野不忍池での鯉釣りを役人に見つかり、驚いて「唖になった」とは言わず、「声が出なくなった」とした。これでよかろう。
白酒の「喧嘩長屋」あるいは「満員御礼長屋」新作落語。大したエピソードでもないことを巧みに盛り上げて展開、笑わせるところが白酒の真骨頂。
柳家三三の「権助提灯」。立川談志の「権助提灯」がチラつく。でも三三は無難。
白酒の「佐々木政談」。賢くて生意気な子はいつの世にもいるのだろう。江戸町奉行佐々木信濃守対少年の対決ということで、桜吹雪の松方弘樹、大岡越前の加藤剛、東山紀之の名など出して、白酒は変わらずサービス精神旺盛で面白い。
三三の「坊主の遊び」。剃刀の小道具が効果的な噺。川端康成的世界であれば、酔って寝てしまった花魁の躰の毛で怒った隠居が剃るのは、女の命の頭髪ではなく股間の恥毛ではあるまいか。しかしエロス丸出しでは落語にあらず、この展開がいい。花魁のマイペースぶりが出ているので、オチのとぼけがみごとにキマった。