スーパーマンとウルトラマンあるいはジェリー・シーゲルと金城哲夫

blog.livedoor.jp   今日は、「スーパーマン」の原作者ジェリー・シーゲルJerry Siegel)の命日(1996年1/28没)である。昔少年のころ、白黒テレビの番組で熱心に観た番組の一つであった。その原作者ジェリー・シーゲルは、作画担当のジョセフ・シャスター(Joseph Shuster)とともにユダヤアメリカ人であるとのこと。惑星クリンプトンから逃れて地球に辿り着いたスーパーマンは、エジプト王の追及を逃れて籠に入れて隠された幼子モーセの話と酷似している、とこの記事は述べている。

 スーパーマンが世に登場したのは1938年だ。ナチス・ドイツユダヤ人虐殺がが静かに進行してきた時代に、シーゲルはスーパーマンのアイデアを得たのではないか。ユダヤ民族が自分たちの民族を救ってくれるスーパーマンのような存在を願っていた時代だ。

  さらに、バットマンスパイダーマンの原作者も、ユダヤ系の人たちであるそうである。「スーパーヒーローを生み出した原作者にユダヤ系が多いのは、ユダヤ民族の血の中にスーパーマンのようなメシアの到来を願うDNAが潜んでいるからではないだろうか」と結んでいて、興味深かかった。
 思い起こされるのは、日本のスーパーヒーロー、ウルトラマンウルトラセブンの「ウルトラ」シリーズを監修した金城哲夫のことである。沖縄出身の金城哲夫アイデンティティーをめぐる葛藤が、「ウルトラ」シリーズの世界観に反映しているのではないか、という問題である。
 与那覇潤氏は、『日本人はなぜ存在するか』(集英社インターナショナル)で述べている。 

那覇潤氏は、この書第4章『「日本民族」とは誰のことか』のところで、沖縄の人々のアイデンティティについて考察している。沖縄の文化も日本の文化の一つであるから尊重されるべきであるとの考えを核とした、伊波普猷(ふゆう)の「日琉同祖論」を紹介し、「はたしてその路線は、正しかったのか。その帰結を知っている私たちは、悩まずにはいられません」と述べている。そして沖縄出身の金城哲夫のことをとり上げる。彼は、『ウルトラマン』『ウルトラセブン』の「ウルトラ」シリーズを監修した人。宇宙人と地球人とのアイデンティティに悩むウルトラマン(防衛隊員)は、「沖縄出身だった金城ならではの思想や葛藤が反映していることが知られています」。

 与那覇氏によれば、「平成のウルトラマン」シリーズでは、ウルトラマンは最終回を待たず、みずからの正体を明かし、それを知り他の隊員たちもしごく普通に 一緒に戦うところに、沖縄人のアイデンティティーをめぐる葛藤が(現実を反映して)消えているとのことであるが、さてそうであるのか、「ナイチャー」のこちらにはわからない。

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