たんぽぽや一天玉の如くなり 松本たかし
たんぽぽの花の上は、弓なりにひろがる春の空があるのみである。いっさいの夾雑物を排して、黄色の可憐なたんぽぽと、春の無辺の空を描いている。地に張りついているように低いたんぽぽの位置と、広大無辺の玲瓏たる春の空の交歓。
「たかし楽土」と称えられた代表作にふさわしい一句である。
( p.109 )嶋田麻紀編『秀句350選1 花』(蝸牛社)
たんぽぽや一天玉の如くなり 松本たかし
たんぽぽの花の上は、弓なりにひろがる春の空があるのみである。いっさいの夾雑物を排して、黄色の可憐なたんぽぽと、春の無辺の空を描いている。地に張りついているように低いたんぽぽの位置と、広大無辺の玲瓏たる春の空の交歓。
「たかし楽土」と称えられた代表作にふさわしい一句である。
( p.109 )嶋田麻紀編『秀句350選1 花』(蝸牛社)