犀の角のように:『スッタニパータ』から

 AFP通信の国際ニュースによれば、「フランスの首都パリ(Paris)郊外のトワリー(Thoiry)動物園で、夜間に侵入した何者かによってシロサイ1頭が射殺され、角を奪われる事件が発生した。警察と同園が7日、明らかにした」。
 http://www.afpbb.com/articles/-/3120526(「AFP・NEWS 」)
  原始仏典の『スッタニパータ』(中村元訳:邦題「ブッダのことば」・岩波文庫)の第一「蛇の章」の三「犀の角」を思い起こし、35~75のことばを読んだ。昔は好んで何度も読んだところである。
35:あらゆる生きものに対して暴力を加えることなく、あらゆる生きもののいずれをも悩ますことなく、また子を欲するなかれ。況(いわん)や朋友をや。犀の角のようにただ独り歩め。
39:林の中で、縛られていない鹿が食物を求めて欲するところに赴くように、聡明な人は独立自由をめざして、犀の角のようにただ独り歩め。
40:仲間の中におれば、休むにも、行くにも、旅するにも、つねにひとに呼びかけられる。他人に従属しない独立自由をめざして、犀の角のようにただ独り歩め。
52:寒さと暑さと、飢えと渇(かつ)えと、風と太陽の熱と、虻と蛇と、——これらすべてのものにうち勝って、犀の角のようにただ独り歩め。
71:音声に驚かない獅子のように、網にとらえられない風のように、水に汚されない蓮のように、犀の角のようにただ独り歩め。

ブッダのことば―スッタニパータ (岩波文庫)

ブッダのことば―スッタニパータ (岩波文庫)

ブッダ神々との対話―サンユッタ・ニカーヤ1 (岩波文庫 青 329-1)

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