東京家政学院のJKはぶっ飛んでる

 https://www.youtube.com/watch?v=wa3ZQiudMZM(「2016年俳句甲子園全国大会2日目」)
東京新聞」9/2(金)夕刊で、第19回「俳句甲子園」の展開と結果が報告(川原田喜子記者)されている。開成高校Aの優勝は、予想の限りであったが、決勝戦に進んだ東京家政学院高校の快進撃は、「俳句甲子園公式HP」の実況中継、開成高校A対愛光高校の準決勝のみ観ていたので知らなかった。
 記事によれば、敗者復活戦での東京家政学院の句(兼題は「渡り鳥」)に、
鳥渡る祖父のあるいは禁色か 
東京新聞」記事には、「禁色は三島由紀夫の小説『禁色』に由来し、男色の意。祖父の知らない姿を垣間見た複雑な思いを渡り鳥と合わせ、最高点を獲得した」。この「あるいは」には感心した。後生畏るべし、といえば大仰か。
 さらに開成Bとの準決勝戦の勝敗の決まる5人目では、兼題「利」をめぐって、開成Bの句「聖堂は鋭利に立ちて旱(ひでり)星」に対し、東京家政学院の句「利口な睾丸を揺さぶれど桜桃忌」で勝利。太宰治の命日で夏の季語「桜桃忌」を大胆に用い「エリート男性を揶揄した」句に「会場がどよめいた」とのこと。なるほど結果として、「聖堂」よりこちらを立ててみろとの挑発になっているではないか。この句を詠んだ古田聡子さん(3年生)は「心を素っ裸にしたらあの句ができた。ベテランの先生方に評価されてうれしい」と晴れやかな表情だったとある。記事によれば、東京俳壇選者小澤實氏は、「俳句でこんなに自由でアナーキーな表現ができると教えてもらった。感動した」と述べている。プロの批評に共感を覚える。
 優秀賞に評価された、同高大西菜生部長の
藍浴衣ことばは人間を使ふ 
 も味があり、好感がもてる。この学校の教育・文化環境の素晴らしさが「垣間見えて」、今後注目したいと思うのである。
 http://www.haikukoushien.com/list/index.php/19th_kekka/(「第19回俳句甲子園 全国大会の結果」)
 http://www.kasei-gakuin.ed.jp/news/1000000207.html(「東京家政学院中学校・高等学校Magazine」)


 http://d.hatena.ne.jp/simmel20/20160815/1471239899(「平和の俳句ー開成俳句部:2016年8/15 」)
 http://d.hatena.ne.jp/simmel20/20141026/1414303292(「年尾忌と俳句甲子園:2014年10/26 」)
 http://d.hatena.ne.jp/simmel20/20120903/1346648675(「シュークリームとキャベツ:2012年9/3 」)
 http://d.hatena.ne.jp/simmel20/20100907/1283849567(「後生畏るべしー開成二冠:2010年9/7 」)