キプロスのスリッパあるいはヴィーナスのスリッパ



 その経済状況でいま世界をハラハラさせているらしいキプロスの島は、ギリシア神話の女神アフロディーテー=ヴィーナスが水泡から誕生すると、西風によって運ばれたところである(岩波『ギリシアローマ神話辞典』)。つまりキプロスはヴィーナスの島なのである。(※正確には、キプロスキプロス島
 さてランの仲間(orchid family)の一つに、キプリペディウム(Cypripedium)がある。調べるとこれは二つの語の合成語で、キプロス島はすなわちヴィーナス、ペディロンは室内ばき=スリッパ(slipper)のことで、ヴィーナスのスリッパという意味になる。花の形状(shape)が、スリッパに似ているからだろう。同じ種類の花が、下の写真のパフィオペディルム(パフィオペディラム=Paphiopedilum)である。パフィアは、ヴィーナス誕生の海(地)とされるキプロスのPaphosに由来するようで、ヴィーナスのこと。やはりヴィーナスのスリッパ。英語では、この花は、Lady's Slipper Orchid(or Flower)という名称。
 http://www.allsands.com/gardening/ladysslipperf_sfp_gn.htm(「Lady'S Slipper Flower」)
 http://www.flickr.com/photos/fwbaker/7041970351/(「Paphiopedilum」)

⦅写真(解像度20%)は、東京台東区下町民家の、パフィオペディルム(Paphiopedilum)。小川匡夫氏(全日写連)撮影。⦆