映画『四季・奈津子』と阿木耀子

 

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 WOWOWの放送は少しだけ鑑賞したが、東陽一監督の『四季・奈津子』は昔どこかの映画館で観ている。記憶に残っているシーンは、カメラマン中垣(本田博太郎)が初めて撮るヌード写真の撮影で、奈津子(烏丸せつこ)とケイ(阿木耀子)の二人が被写体になるところと、北九州のどこかで雨の中催されたテント小屋の芝居、この二つのみ。五木寛之の原作は読んでいないが、シモーヌ・ド・ボーヴォワールなどにも勢いを得つつ、当時のファッショナブルな生き方を描いたものなのだろう。時代の世相と風俗の先端をわずかばかりの内面のドラマと交錯させれば、映像さえ美しければだいたい成功。しかしいずれオワコンになる。もっともそのオワコンのところが、今度は魅力的に見えるということも出てくるのではあるが。
 ヌード撮影の場面では、個人的にはヒロイン役の烏丸せつこよりも、自由に生きる女ケイを演じた阿木耀子のほうにそれこそ魅せられた。ジュディ・オングが歌った「魅せられて」の作詞が阿木耀子さん。(作曲は先日亡くなった 筒美京平さん。)美しい肢体。この後映画出演はないらしい。

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 2001(平成13)年7月東京・ル テアトル銀座にて、阿木耀子プロデュース・作詞、宇崎竜童音楽監督・作曲、鍵田真由美&佐藤浩希主演・演出の、フラメンコ舞踊劇『曽根崎心中』を観ている。カーテンコールで舞台に現われた阿木耀子さんは、変わらずオーラを放っていたのであった。

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