佐々部清監督『この道』を観る

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 http://konomichi-movie.jp/sp/(「映画『この道』公式サイト」)
 昨日1/15(火)、貫地谷しほりが、詩人・歌人北原白秋の第三の妻を演じているとのことで、佐々部清監督『この道』を観てきた。1/14(月)に用事あり、孫のKくんを連れて来宅し、自分が住んでいる八千代緑が丘の駅連結のシネマコンプレックス、TOHO シネマズ八千代緑が丘を長男が薦めるので、ここで観ることにした。なるほど案外短時間で映画館に到着、スクリーン9に入場した。
“情に走る感覚の人”北原白秋と“真面目な理想家”山田耕筰(金澤誠氏)という、史的人物の一面をことさら強調して一貫して描き、その熱い友情から、大人の夢と哀しみをも潜ませた童謡の名作を共同で創っていく。その歓びと苦悩の展開を、戦争への道を走り始めた時代背景のなかで追っている。最初のシーン「北原白秋没後十周年記念コンサート」での少女合唱隊の合唱のあとも、EXILE ATSUSHIの「この道」の歌が何回か流れるが、あらためて名曲であることを認識させられる。映画の題名も含めて、監督が、二人が生きた時代は「関東大震災が起き、そして日本が戦争へと走った時代」で、「今、また同じような状況を迎えようとしているような気がしてなりません。決して同じ道を歩んではいけないのです」と述べていることから、危うくステレオタイプ反戦映画となるところであったが、それほど軍の横暴を執拗に描いてはいない。現代日本での表現と自由の問題を扱うのであれば、商品流通の桎梏との相克の問題として追求するべきであろう。
 白秋と耕筰の友情を軸にしながら、〈女にだらしない〉白秋と、姦通罪で逮捕される契機となった不倫の相手、後の第一の妻俊子(松本若菜)、第三の妻菊子(貫地谷しほり)、そして姉のような立場の与謝野晶子羽田美智子)とのそれぞれの関係性が美しい情景とともに描かれている。貫地谷しほりは、先日の「BS笑点ドラマスペシャル」で五代目三遊亭圓楽の妻を演じていたが、心に少年ぽさを残した詩人や噺家の妻を演じさせると、可憐さと母性を兼ね備えた巧みな表情を表現し、当代随一の女優になりつつあるとの印象である。
 
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