『風の道』第12号発刊:世田谷自然左翼

f:id:simmel20:20191130133308j:plain

 

f:id:simmel20:20191130133400j:plainf:id:simmel20:20191130133327j:plain

『風の道』第12号が発刊された。ゆりはじめ氏の「侃々諤々(二〇一九年)」冒頭。

 近頃の特色と云えばまずは台風ということだろう。今年(二〇一九)の発生数はとも角も日本列島への立ち寄る数は圧倒的に多くなっていることは確かだろう。際限なく有害な一酸化炭素を吐き出す社会に徹底抗戦するように北欧の一少女が学校の金曜日を休んで社会的にも評価を得て「大人たちよ、あなた達はこの世界を汚せるだけ汚している。私たちには汚れきった地球が残っているだけだ」とアピールしている。(p.102 )

 この後、「この世界で最も劣悪な男性と目される人物」=トランプ米大統領と、「人生を意志的に開始しようとする若い女性」との「対決」の構図があったとし、この少女の怒りのパフォーマンスを賛美している。文藝評論家ゆりはじめ氏にしては、いささか「水戸黄門」(個人的には好きな時代劇)レベルの図式であろう。

   怒りのパフォーマンスも、少女一人の力でできることではない。少女を前面に押し出す大人の組織が背後に存在するはず。そこをはっきりとさせた方がよい。陰謀論でこの少女を単なる道具として貶めることは失礼であり議論の中身の吟味は必要であるにしても、背後にあるだろう組織なり勢力は明らかにするべきである。

 

    賛美の国内的背景として、日本人は北欧を根拠なく美化しがちであることも注意したい。

 経済成長を否定し自然との共生を強調しながら、富裕なみずからの生活環境の恩恵にどっぷり浴している人びとを「世田谷自然左翼」と呼ぶそうだが、北欧「世田谷自然左翼」の家庭の少女にそう振り回されることもあるまい。

f:id:simmel20:20191130185923j:plain