平成の終わり・老母の大往生

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 3/22(金)台東区東上野のT会館にて老母の葬儀が催された。3/13(水)介護付老人ホームで倒れ、3/14未明T大学病院でその骨折の治療中急性心不全で逝去。3/5(火)が104歳の誕生日で、老人ホームで祝っていただいたとのことである。「死にたいのに、なかなか死ねないよ」と、2月に次男と見舞い訪問したときも口癖のように言っていた。ようやく願いが叶ったのであった。大往生である。認知症もなく、食欲も衰えず自力で室内トイレを利用できていたとはいえ、春の桜にも夏の花火にも興味を失っていたのであるから、急逝とはいえ、慶賀すべきことであった。

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 老人ホームに入居する前は、ビーズのアクセサリーや手編みのマフラーなどをマメに作っていて、ティッシュペーパー箱と室内マフラーは、いまだに愛用しているのである。認知症にならなかったのも、この手作業によるところがあったのだろう。十一代目・十二代目市川團十郎の襲名興行を、少年・青年時代に母のお供で観ている。十三代目の襲名興行は一人で観劇することになる。寂しいことだが、昔観る機会を与えてもらえたことへの感謝の思いが強い。

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 昔撮った一葉の写真が出てきた。写っている人物は、母の前に、父も(享年92歳)連れ合いも(享年69歳)弟もすでに泉下の客となっている。抱かれている赤ちゃんが長男、二人の姉妹が姪で、それぞれ相当な大人になっているのである。無常迅速・諸行無常の理(ことわり)を知るのみ。

 実家の斜め前の寺の墓地に、NHK朝ドラ『まんぷく』のヒロイン福子を演じる安藤サクラさんのご祖母の墓がある。

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f:id:simmel20:20190325230818j:plain(椿:京唐子)