NTLive『ヴァージニア・ウルフなんかこわくない』(ヒューマントラストシネマ有楽町で上映)の3/5(火)の指定席を予約確保している。エドワード・オールビーのこの傑作は、昔(1964年11月)、鳴海四郎訳、松浦竹夫の演出で、木村功(ジョージ)、南美江(マーサ)、杉浦直樹(ニック)、服部マリ(ハネー)の共演、ステージ・センター製作の舞台で観ている。台詞の格闘技のような展開と結末に、衝撃を受けた思い出がある。
三島由紀夫は、その公演プログラムで、「松浦竹夫の夢の実現」と題して、この公演について書いている。あらためて興味深い。
「ヴァージニア・ウルフなんか怖くない」は、ある意味では、日本の知識層の明日の姿を語っている。知識層の孤立は日本でもはじまっており、安保斗争の敗北がそれに拍車をかけたというのが私の意見だが、この芝居が象徴しているような危機的状況に盲目な連中を相手にして、松浦氏も私も心ならずもトラブルを生じ、文学座脱退にまでそれが発展した。その意味で今度の松浦氏のこの大仕事が、私には他人事とも思えないのである。
1985年6月、米国のサークル・レパートリー・カンパニーが来日公演した折には、サム・シェパード作、演出の『Fool for Love 』を観て、マーシャル・W・メイソン演出の『ヴァージニア・ウルフなんかこわくない』の舞台はパスしてしまった。残念であった。
じつにひさしぶりに(夕方から)夜の観劇(鑑賞?)、3時間35分(休憩含む)の長丁場、やや緊張するところもあるのである。