文藝同人誌『風の道』第8号発刊



 文藝同人誌『風の道』第8号が発刊された。主宰者の葉山修平氏が昨年夏に亡くなっているので、継続を心配したが、6月に第7号、そして今回の第8号と、同人諸氏の文運衰えず、慶賀しかつ敬意を表したい。
 新美守弘さんのエッセイ「終わらざる時を求めて」に、「恩師である葉山修平先生に繋がる思い出の中の記憶に残る人物たちを思い起こしてみたい」として、その内の一人に詩人の金井直を挙げている。

 着流しの颯爽とした姿が目に浮かぶ。浅黒い艶やかな二枚目といった風情が印象的だった。「木琴」という素晴らしい詩が教科書に載ったりして印象に残る。

 印象を的確に捉えていて感心させられる。昔、北区西ヶ原の詩人のお宅に、葉山修平氏に同行してお邪魔したことがある。寡黙な人で、3人で近くの喫茶店に入ってからもほとんど語ることはなかったのであった。ハイデッガーの『存在と時間』ほかが並べられた本棚に置かれた置物が、妹君の作品であることを話したときは、声が鮮明であった。詩集『無実の歌』(彌生書房)は愛読していた記憶がある。

 http://d.hatena.ne.jp/simmel20/20110530/1306734385(「あじさいの季節は:20011年5/30 」)