http://www.nhk.or.jp/drama10/tsubaki/index.html(「NHKドラマ『ツバキ文具店』」)
わが庭の椿(岩根絞り)も、盛りが過ぎつつある。道路沿いに咲いているので、たまに通行人が立ち止まり眺めていただいている。
さてNHK毎週金曜日夜10:00〜の連続ドラマ『ツバキ文具店~鎌倉代書屋物語~』は、毎回小さな物語が完結の展開形式。亡くなった祖母雨宮カシ子(倍賞美津子)が鎌倉で営んでいた、庭に椿咲くツバキ文具店は、売る文具も置いているが、依頼人の手紙の代書がむしろ本業であったらしい。孫の雨宮鳩子(多部未華子)は厳しい修業に耐えかねて家出していたが、祖母の死に際し帰郷し、たまたま依頼されて代わりに書いた手紙が、宛先の愛する猿を喪った夫婦の心を慰撫できたと聞いて、ついに代書屋を継承する決意をしてしまう。その第1話「奇妙なお悔やみ状」を承けて、4/21の第2話「幸せの終了証書」では、離婚することになった夫婦の挨拶状の代書。妻に恋人ができてしまったことが原因の離婚で、依頼人の夫(高橋和也)があくまでも円満離婚であることを強調するが、裏にある悲哀と苦悩にみずから向き合わせて、別れて南の島で新しい生活を始めた元妻をも「幸せな結婚生活でした」と総括させ得た挨拶状を完成させる。
いったいシャーペンの替芯さえ置いておらず、買いにきた子どもに「あり得ない!」と呆れられてしまうこの店の経済基盤はだいじょうぶなのか、と心配させる設定ではあるが、愉しめる。ところで、男爵と呼ばれる近所の謎の紳士役は、奥田瑛二。どうやら幼少のころから鳩子を見守っていたようであるが、多部未華子とのコンビは、2012年6/11に新国立劇場・中劇場にて観劇した、宮本亜門演出の『サロメ』の舞台の、ヘロデ・アンティパスとサロメのコンビではないか。笑ってしまう。高橋克典、江波杏子ほか、脇役陣も藝達者で安心して観られる。さらに、主題歌「コトノハ」を歌っているのが、絢香。これも魅力。
※第3話(4/28)によれば、この文具店は、祖母の代から近隣の小学校に文房具を納めているとのこと。なるほどいちおう大口の買い手が存在するのだ。
http://simmel20.hatenablog.com/entry/20120613/1339580706
(「唇はゆりの花:多部未華子の『サロメ』観劇:2012年6/13 」)
http://simmel20.hatenablog.com/entry/20110807/1312689438
(「多部未華子出演のドラマ『ジウ』・美徳の不幸:2011年8/7 」)