ほどほどに甘いものは(そしてワインも)



ジャパンカップ」の馬券的中ということで、とらやの羊羹を購入。さっそく先日贈られた奥八女茶の玉露とともにいただいた。至福の時である。しかし甘いものもほどほどにしないと健康が危うくなることを、九州久留米市の真島消化器クリニック院長、真島康雄医師の『脳梗塞心筋梗塞は予知できる』(幻冬社)で思い知らされた。真島医師は、もともと肝臓の専門医であったが、その手技の超音波(エコー)技術によって、たまたま心筋梗塞を発症した肝臓病患者の血管プラークを検査する過程で、これまでの頸動脈エコー検査では発見できない、血管プラークの存在に辿りついた。右鎖骨下動脈の血管プラークである。ここは「血管が頸動脈より太く、カーブもしていて、さらに分岐しており」ゴミが非常に溜まりやすいのだそうである。プラークとは、血管内幕下にへばりついている「お粥のようにじゅくじゅくとした脂肪の塊」で、「血液の流れを悪くしたり、動脈硬化の原因になったり」している。これまで右下鎖骨下動脈の血管診断が注目されてこなかったのは、「もともとその場所が身体の奥深い場所にあるため、通常のエコー検査では、なかなか見つけるのが難しかったから」とのことである。だから頸動脈エコー(またはMRA)検査で異常なしでも、まったく安心というわけではないということになる。こちらも津田沼中央総合病院で2012年8月に脳ドック検査を受診、MRI検査および、脳内血管とともに頸動脈MRA検査も受けている。そのときの検査結果は、MRI&MRAどちらも判定Aで「異常所見なく、主要な血管は良好に開存している」であった。油断は禁物。
 血管の奥深くに入り込んだLDLコレステロールが酸化LDLとなり、白血球中のマクロファージがこの酸化LDLを食べまくる。このマクロファージが破裂して死んだ残骸と脂質が血管の内側の壁に膨らんで堆積した物が、プラークである。
……例えばプラークが膨らむと血管に傷がつき、これを修復しようとして血小板が集まってきます。血小板は出血を止める働きをしますが、同時にプラークに付着した血小板はさらにプラークを大きくしてしまいます。そして大きくなったプラークはさらに血管を傷つけ、血栓(血の塊)ができるのです。
 健康な血管であれば、血栓を溶かす働きがあるので、血栓が詰まるようなことはありません。しかしプラークの堆積によって動脈硬化の起こっている血管では、血栓を溶かす働きが低下しています。このため血栓はそのまま血管に残って堆積し、血管を詰まらせるか、あるいは血管から剥がれて血流にのり全身を巡ります。その結果、流れ出た血栓心筋梗塞脳梗塞など命にかかわる病気を引き起こしてしまうのです。……(p.81)
 したがってLDLコレステロールと脂質を増やす食習慣こそ、血管プラークの原因ということになる。多飲酒を別格筆頭として、肉(とくに脂肪分)・揚げ物と炒め物・砂糖、この三つを摂取し過ぎないことが重要なのである。食習慣の見直しのほかに、できれば右鎖骨下動脈ほかの血管プラークを測定するエコー検査の受診が求められるとはいえ、九州の久留米市まで出向くのはたいへんである。この検査方法が全国に波及するのを望みたい。
 血管プラークを原因とする疾患にはほかに、大動脈瘤、脳血管性認知症、労作性狭心症などがあり、血管プラークのエコー検査によって食習慣を改善すれば予防できるということである。一般の健康診断で、高血圧・脂質異常症・糖尿病などの検査項目で異常なしと判定されても、血管プラークのエコー検査では危険水域の場合が少なくないそうで、食生活への配慮はたいせつということである。
 http://majimaclinic22.webmedipr.jp/kanzenyobou/index.html
  (「脳梗塞心筋梗塞の完全予防法:真島消化器クリニック」)
 http://business.nikkeibp.co.jp/article/NBD/20130322/245429/?ST=pc
  (「脳梗塞を予知する新検査法:日経ビジネスDigital」)
⦅写真は、東京台東区下町民家のポインセチア。小川匡夫氏(全日写連)撮影。コンパクトデジカメ使用。⦆