「風評被害」をめぐって

(『東京新聞』5/12「こちら特報部」見出し)
 たしかに「風評被害」ということばが記号として独り歩きして、事態の悲惨さ・深刻さを隠蔽してしまうような情報の流通はよろしくない。しかし、「東京新聞」(おそらく「朝日新聞」も)の「こちら特報部」を中心とした、東日本大震災以降の報道は、むしろその反対の弊害を多くもたらしてきたのではあるまいか。反原発・反権力の立場の言論であればすべてよしと受けとれる、人物の選別および記事で紙面は埋め尽くされていた。すでにみずからの主張と推測の誤りを〈反省〉している人もいるらしいのに、それらの発言の検証も怠っている。まともに読むのに耐えられまい。
 夕刊の「大波小波」欄と、東京の地域文化性についての記事など読むに値する一部の内容もあることと、購読料が安いという理由で引き続き購読することは変わらない。


 http://www.gepr.org/ja/contents/20150413-04/(「石井孝明:福島原発事故放射能の恐怖は幻想だった」)
 http://www.gepr.org/ja/contents/20150413-01/(「放射線科学会議SAMRAI2014報告(上))
 http://www.gepr.org/ja/contents/20150413-02/(「放射線科学会議SAMRAI2014報告(下))



⦅写真は、東京台東区下町それぞれの民家のシロガクアジサイ(白額紫陽花) 。小川匡夫氏(全日写連)撮影。コンパクトデジカメ使用。⦆