吉原の無頼派作家





 http://www.nhk.or.jp/jidaigeki/yoshiwara/index.html(「NHK木曜時代劇『吉原裏同心』」)
 NHK木曜時代劇『吉原裏同心』(全12回)が9/18放映で終了してしまった。なかなか味のある時代劇ドラマで愉しめた。若いころともに小説を志していた年長の友のことを追憶しつつ視聴していたのである。吉原大門そばで「ホンゴー」という小さな中華料理店を営んでいた福島進のことで、短篇集『夏の旅』(コスモ出版)一冊のみを上梓して病死している。酒乱で酔うと暴力的になり、周りはどうしようもなくなることが多かった。すでに文学史上の存在と成り果てている、無頼派作家のジャンルに属するだろう。同短篇集収録の「踏切」は、まさに珠玉の一篇である。ひさしぶりに読み直して刺激を受けたいものである。
 この作家をモデルとして掌篇「短篇ほどの眠りを」を書いている。『メドゥーサの眼』(龍書房)所収。

Tanpen.pdf 直(「短篇ほどの眠りを」)