深川正一郎選・「現代俳句の世界1」『高濱虚子集』(朝日文庫)中「六百句」(菁柿堂刊・昭和21年)から花時の句(昭和17年)を。
濡れてゆく女や僧や春の雨
失せてゆく目刺のにがみ酒ふくむ
あやまってしどみの花を踏むまじく
※しどみ:草木瓜の別名。草木瓜は、トゲのある低木のボケ(木瓜)。
連翹の一枝円を描きたり
行き当り行き当り行く花の客
騒人にひたと閉して花の寺
- 作者: 高浜虚子,深川正一郎
- 出版社/メーカー: 朝日新聞社
- 発売日: 1984/11
- メディア: 文庫
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