開成学園文芸部OB会『暁光以後』最終号

 開成学園文芸部OB会『暁光以後』最終号が届いた。当初より10号までは出そうということで努めてきたので、区切りとして「一旦ケリをつけよう」とのことである。それぞれの方が、職業的に第一線で活躍するなか、高校時代の志を蘇らせつつここまで持続したことに敬意を表したい。表紙は変わらず、日本・スペインを画業の足場としている石井崇さんである。
 http://www.oliva2004.net/(「イシイタカシの世界」)

 未読の段階で大急ぎ、松村雄二(中世国文学者)さんの「編集後記」の一部を紹介しておきたい。
……おかげさまで松村はコレクション日本歌人選六十冊の編集と刊行を予定通りに果たし、前著『辞世の歌』に続けて今年は『西行私註』を刊行。飯田は七十の老骨に鞭打って立ちづくめの歯科医院開業の傍ら、日本大学歯学部で特別講義の開講を始め。山本は奥方の面倒を見ながら卓球を続け、また川柳の研究をしこしことやっている。いずれもご同慶の至りというところ。
 十月に入ってこの三人の原稿がようやく集まり、大岡氏はいつも欠かさず詩を届けてくれるのに力を得て、ほぼ陣容をととのえつつあったところへ、ご母堂の他界で大変だった松浦氏の新戯作が最後の瞬間に間にあった。味形氏は幕末から明治に掛けての水戸の史料『帰鶴物語』の口語訳という長く続いた仕事が終わって今年は一休みというところか。……
 以下の通り反骨精神は相変わらずで、精神は依然として開成学園文芸部員なのだ。
……開成の我々同期の人間が何人か叙勲に預かったと聞いた。みんな祝いに駆け付けたようだが、そんなことが年寄りの生き甲斐だというのもどこか侘びしい。なにせ高倉健文化勲章を与えるお国柄だ。思い切って唐獅子牡丹流に勲章を蹴っ飛ばしてくれたらスカっとしたのになとも思う。……
 これから拝読ということで、ただいま「工事中」である。