藤原歌劇団公演 C.グノー作曲『ファウスト』観劇(東京文化会館大ホール 1/27)

  現代演劇の『ファウスト』は、1990年8月、日生劇場でのドイツのミュンヘン・カンマーシュピーレ劇場来日公演で観ている。仕掛けの愉しい舞台であった。
 演出:ディーター・ドルン、主要キャスティングは、メフィストフェレス:ハンス=ペーター・ハルアックス、ファウスト:ヘルムート・グリーム、マルガレーテ:ズーニー・メレス。ズーニー・メレスは美人で魅力的。
 グノー作曲のオペラは、ミッシェル・カレ&ジュール・バルビエの共同台本で、1859年パリのテアトル・リリックにて初演。「客席の反応は微温的」(プログラム岸純信解説)だったそうだが、生のセリフをすべて外してレシタティフ(レチタティーヴォ)に変更、第5幕にバレエを追加(オペラ座での公演ではバレエ必須)して、大ヒットに至ったのであった。ドイツにおいては、原作『ファウスト』の第一部のみで成立しているこのオペラは『マルガレーテ』と題して上演されているとのこと(國土潤一解説)。ヘンデル作曲の『(エジプトの)ジュリオ・チェーザレ』も、タイトルロールのジュリオ・チェーザレよりもクレオパトラのほうが主役のようであるから、グノーのこのオペラも『マルガレーテ』でよいのかも。