大盛盛和『狸蜂庵日乗』(龍書房)で尾瀬歩きを懐かしむ

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   大盛盛和さんから、エッセイ集『狸蜂庵日乗』(龍書房)の恵贈に与った。同時に上梓された小説集『蛙鳥』も同梱されてあるが、これはいずれ拝読したいもの。
 表題にもなっている「狸蜂庵日乗」、掲載誌の『風の道』ですでに読んでいるが、「尾瀬の旅」のところは何度も読み返してしまった。2018年著者滞在の狸蜂庵は、栃木県塩原温泉郷にある山荘とのことで、もし尾瀬行きを希望すれば南会津檜枝岐から尾瀬の湿原に入るコースが昔からある。著者は、その数年前に「シャトルバスで沼山峠に出て、大江湿原の木道を通り、時計回りと反対に浅渕湿原を経て、尾瀬沼を一周するコースを歩いたことがあった」体験があるのみで、尾瀬を本格的に歩き抜いたわけではないようである。「尾瀬には、車があれば、狸蜂庵からほんのひと走りで行ける。にもかかわらず、車がないために、狸蜂庵に通い始めてから40年、尾瀬は未知のあこがれの地であった。いまや遠い近いの距離感は交通手段と直結している。私は、もう一度、あの美しい尾瀬に足を踏み入れたいと思っている」と書き、シカの害を憂いているが、世田谷自然左翼の面目躍如といった印象である。
 個人的にはこちらは若いころ、知り合いの年上の女性と会津田島から檜枝岐を経緯する当時いわゆる裏コースからも尾瀬へ入ったことがあるが、これは短篇小説のネタとして保留すれば、尾瀬にはほぼ毎年入っていた山歩きが趣味の義兄の案内で、尾瀬にも大清水と鳩待峠間の表コースで2回ほど訪れている。1回目ははじめ夜明け前の山歩きで、懐中電灯の灯りを頼りに闇の中を進むのだった。2回目は燧ヶ岳に挑戦、けっこうきつい登山であった。その義兄も一昨年亡くなっている。

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