銀のばら:『ばらの騎士』

 5/24(日)〜6/4(木)新国立劇場オペラパレスで、シュテファン・ショルテス指揮、ジョナサン・ミラー演出のオペラ『ばらの騎士』が上演されるとのこと。いまはこちらはオペラの舞台は財政的にめったに観られないが、『ばらの騎士』は、1981年6/13(土)NHKホールにて、当時ドイツ民主共和国ドレスデン国立歌劇場来日公演を観ている。国柄から装置や衣装など視覚的には地味な舞台つくりであった。青年貴族オクタヴィアン(カンカン)が、使いのばらの騎士として裕福な新貴族の娘ゾフィーに手渡す銀のばらは、とうぜん銀色の造花の花であった。



 今回の新国立劇場オペラパレス公演の舞台では、京成バラ園芸作出のばら、銀嶺を使用するそうである。なお18世紀ウィーンの貴族社会で、婚約の儀礼として銀のばらを贈る習慣はなく、台本を書いたホーフマンスタールの創作であるということである。
 http://www.nntt.jac.go.jp/opera/performance/150524_003709.html
 (「新国立劇場オペラ2015年公演『ばらの騎士』」)
 http://www.geocities.jp/wakaru_opera/derrosenkavalier.html(「『ばらの騎士』あらすじ:わかるオペラ情報館」)
 http://newroses.sankei.co.jp/news/event/article/150423/evt0001-n1.html(「求愛のシーンで使われる印象的な“銀のバラ”:バラ専門情報サイト」)
 ドイツ文学者野口方子さんによれば、「時のうつろい」を主題とするこの作品で、銀のばらは「時」のアレゴリーとして有効に使われている小道具とのことである。なるほど面白い。昨日はすでに立夏であった。「時のうつろい」を思わざるを得ないタイミングである。
 http://www.classicajapan.com/helena/allegorical_rosenkavalier.html
 (〖「時」のアレゴリーとしての『ばらの騎士』〗) 


⦅写真は、東京台東区下町それぞれの民家の薔薇。小川匡夫氏(全日写連)撮影。コンパクトデジカメ使用。⦆