花と歌麿:施餓鬼会参列

 昨日6/8(日)は、東京都世田谷区北烏山の専光寺にて、恒例の施餓鬼会が催され、参列した。施餓鬼会または施餓鬼とは、中村元著『佛教語大辞典』(東京書籍)によれば、「清浄な地や水に食物を投げて、悪道に堕ちて飢餓に苦しんでいる衆生や餓鬼に施す法会。鎮魂の趣意がある」とのことである。また「日本では真言宗・浄土宗・曹洞宗などで主として盂蘭盆会に精霊を供養するために行なわれる」とあるが、浄土宗の専光寺では6月の第2日曜日に実施している。前ご住職も引退し、昨年から長男にあたる現住職が主宰している。ご令室は、京都の老舗美術書出版社マリア書房およびギャラリー高野(哲学の道)経営者一族から嫁がれた方。
 http://mariashobo.jp/(「マリア書房」)
 http://gallery-takano.com/(「ギャラリー高野」)
 法要も無事終了し、父&弟の眠る墓を掃苔し、庭のいろいろな品種の紫陽花の花を楽しんだ。

 墓地の入口のところに、江戸時代の絵師喜多川(北川)歌麿の墓がある。花が手向けられていた。

 http://d.hatena.ne.jp/simmel20/20100406/1270544060(「歌麿版画の色彩」)
 http://d.hatena.ne.jp/simmel20/20100614/1276508537(「杏葉紋と浄土宗寺院」)
 専光寺を出て、すぐ近くの臨済宗大徳寺派の高原院に歩き、庭の大きな湧水池を弁財天を祀る朱色の浮御堂から眺めた。この寺の入口左の榎の大木もわが好みの樹木である。湧水池には、白い睡蓮と黄色いアサザの花がそれぞれのエリアを守って咲いていた。池の手前では、紫陽花とともに南天が可憐な白い花を咲かせていた。

 寺町通りは、駅前から車は一方通行なので、バスには乗れず膝関節痛の痛みがぶり返すことに怯えながら京王線千歳烏山駅まで歩いた。途中みごとなタイサンボクの白い花や、街路をまっすぐ飾る美女柳(orビョウヤナギ)に感動した。なんとか駅近くの商店街に辿り着き、ここではだいたい立ち寄る洋菓子の店「ジェノワーズ烏山店」に入店。ビルの半地下にあり、疲れを癒すにはふさわしい場所である。こちらはコーヒーとガトーフレーズ(ショートケーキ)を、連れ合いはコーヒーとレアチーズケーキを注文した。いちごはまだセーフ、美味しかった。駅近くの公園の花壇では、黄色のスカシユリの花が盛りであった。帰宅して携帯付属歩数計の数値を見れば、総歩数7674歩、歩行距離4987mの、いまの身ではけっこうな旅ではあった。途中西友に寄って、お買得品シールの付いた黒毛和牛モモステーキ肉を購入、体力(骨力?)快復を企図した。


 なお歌麿に関しての話題では、4/13(日)NHKEテレ日曜美術館」で、いままで行方のわからなかった歌麿肉筆の巨大掛け軸画「深川の雪」がみつかり、世紀の大発見として紹介されていた。幕府権力によって江戸を追われた歌麿が、栃木の地で描いた三部作、「品川の月」「吉原の花」「深川の雪」のなかのひとつである。「品川の雪」と「吉原の花」は、現在それぞれアメリカの別々の美術館に所蔵されている。同番組は、この作品がたどった数奇な運命を追跡し、修復の過程なども見せてくれ、なかなか魅力的な放送であった。「深川の雪」は、箱根の岡田美術館で、〜6/30(月)展示しているとのこと。
 http://www.nhk.or.jp/nichibi/weekly/2014/0413/index.html(「世紀の発見!歌麿幻の大作:NHK日曜美術館」)
 http://www.nhk.or.jp/nichibi/about/index.html(「NHK日曜美術館」)
 http://www.okada-museum.com/about/(「岡田美術館」)
【HP用】ニュースリリース.pdf 直(「深川の雪」について)