カブトムシとヒラタクワガタ

 本日の「東京新聞」によれば、3/22北海道の道議会で可決・成立した条例で、北海道内において「故意に外来種を自然に放すことの禁止、販売業者は逃がさないよう購入者に説明義務」などが定められたそうで、「外来種」カブトムシも、「道内の生態系へ大きな影響を及ぼし、防御対策の必要性を検討する」と分類されていて、規制の対象となる可能性があるとのこと。「餌となる樹液の取り合いをすれば、クワガタや他の昆虫よりも強い」という事実があるためらしい。まだカブトムシが規制対象になるかどうかは決定していないとのこと、「みなさんに、国内外来種の存在をぜひ意識してほしい」との大原昌宏北海道大学教授の言葉で結んでいる。
 北海道の地にはじつは、クワガタの仲間でも、オオクワガタとともにヒラタクワガタも棲息していないのである。
 http://www.asahi-net.or.jp/~hi4r-smzk/zukan/zukan.html(「クワガタ図鑑」)
 そしてわが千葉県でも、ヒラタクワガタの棲息があまり観察されないと言われている。この記事を読んで、そのことを思い起こした。下記で情報をもらえるだろう。
 http://www.narakuwa.com/(「習志野クワガタセンター」)
 奥本大三郎氏の『捕虫網の円光』(中公文庫)に、面白い叙述があった。フランスで雇われ昆虫採集人となった青年ル・ムールトが、南仏のモンターニュ・ノワールの山の洞窟で、洞窟性の種を多く含むチビゴミムシの大量採集を狙ったことがあった。洞窟の多いフランスでは、洞窟性昆虫は種類も個体数も日本に比べて豊富だそうである。奥には地底湖まである洞窟に、ル・ムールトが入るのである。
……入口の部分からずいぶん長いあいだ、天井が低くて這っていかねばならない。人間の胸の厚みがあるかなきかの隙間を進んでいくので、普通に言う匍匐前進よりもなお辛い。途中で息を吸うと、岩の隙間に身体が詰まってしまうほど、天井が迫っている箇所がある。ふーっと息を吐いて胸を薄くして、やっとのことで身体を抜き出す。岩に挟まれたヒラタクワガタのような気分である。……(同書p.151 )
 この「岩に挟まれたヒラタクワガタのような気分」というのが、いかにも虫屋らしい表現である。
 ところでみずからたいへんなカブトムシマニアとの、「ムシドル」なるアイドルが存在するのを知った。カブトムシゆかりさん(オスカープロ所属)だ。可愛い! 甲虫類マニアは応援すべし。
(写真は、南雲都撮影。下記サイトより拝借)
 http://photo.sankei.jp.msn.com/kodawari/data/2013/03/25kabutomushi_yukari/
 http://ameblo.jp/kabutomushi-yukari/(「虫とYシャツと私」)
⦅写真(解像度20%)は、東京台東区下町民家の、レンギョウ(連翹)の花その2。小川匡夫氏(全日写連)撮影。⦆