京都正伝寺

 12/17(月)夜たまたまチャンネルをつけていた、テレビ東京の番組「世界!ニッポン行きたい人応援団」で、フランス・ストラスブールで暮らす男性が日本の襖に魅了されていて、招待される運びとなったとのこと。訪日して最初に立ち寄ったのが京都西賀茂にある正伝寺。ここは狩野山楽筆と伝えられる襖絵のある寺で、400年も修復されていない和紙の襖に驚嘆していた。
 この正伝寺、2013年4月16日に参詣している。洛北円通寺と同様、比叡山を借景にした庭園に感嘆させられた。狩野山楽の「山水図襖」は、この期間京都国立博物館で「狩野山楽・山雪」の特別展覧会を催していて、残念ながら観ること叶わなかった。しかし翌日智積院長谷川等伯の「楓図」、「松に秋草図」、「松に立葵図」(いずれも国宝)、「松に黄蜀(とろろ)葵図」を鑑賞できたので、山楽のことは忘れていた。この旅についてのブログ記事で、4/16のところだけ抜粋、再録したい。
 狩野山楽の襖絵は、集英社版『日本美術絵画全集』第12巻「狩野山楽・山雪」収録の正伝寺蔵「山水図襖」を眺めることにして、庭園とのイメージと光の交錯を想像し愉しみたい。

上賀茂神社

 地下鉄烏丸線北大路駅からバスに乗り、上賀茂神社に参詣。祭殿前の円錐形の立砂にひさしぶりに再会し、感動。帰りに、ここで結婚式を行う一行に遭遇、新郎・新婦の顔を一瞬の早業で観察した。

【正伝寺】

 上賀茂神社から上賀茂御薗橋をわたり、西賀茂の正伝寺へ歩いた。途中地図を見ていると、通りかかったおばさんが親切にも山の麓までの道順を教えてくれた。感謝。道路両脇に京都パープルサンガのフラッグがはためいていた。なぜこの道路だけなのか合点が行かなかった。

 山門をくぐり山道を登ると方丈に辿り着いた。小堀遠州作とされる庭園は、遠く比叡山を借景にした枯山水の庭。サツキの刈込みと白砂の庭で、右塀の向こうに枝垂れ桜が満開、鶯の鳴き声まで聞こえ始め、悦ばしいときを過せた。上を見上げれば、伏見城の立て籠った徳川方重鎮鳥居元忠以下が割腹した際の廊下の板を天井にしたもので、今なお残るおびただしい血痕から、血天井と呼ばれる。京都のほかの寺院にもあるそうだが、観るのは今回が初めてである。西陣に住んでいるとの中年の女性二人としばらく談笑した。「あまりここも知られるようになってしもたら困るんどすわ」とか話していたのが印象的であった。

【からふねや珈琲店・本店】

 北大路から烏丸御池乗換えで京都市役所下車で河原町三条まで歩いて、からふねや珈琲本店に入った。ここはパンケーキで有名な店。さっそく苺白玉パンケーキとコーヒーを注文、申し分ない味であった。壁のリースの飾りもセンスあり、雰囲気もよい。

一澤信三郎帆布

 三条大橋をわたって東大路通りに出、一澤信三郎帆布に到着。いま愛用の帽子と色違いの帽子を二つ購入した。レジの男性はすぐ気がついて、「あ、うちの品物使っていただいておおきに」と言ってくれた。気分がいい。

 八坂神社に参詣してからホテルに戻った。(2013年4/18記)